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H エンジンバルブスプリング
近年の自動車のFF化、軽量化、高出力化はエンジン本体の軽量化に依存するところが大きい。
エンジン重量が軽ければ、シャシーの強度も上げる必要がなく、車自体の軽量化が可能となる訳です。
特にFF車の場合、前にエンジンと駆動系が集合しているのと横置きにマウントされている為、前輪に負荷される荷重が大きく、ステアリング系統、操縦安定性、タイヤの摩耗等の問題が生じる事になります。そこで、一つ一つのエンジン部品の軽量化という事になり、当然動弁系の一つであるバルブスプリングにも当てはまってくるのです。
数あるばねの中でも、一番精度と性能の差が出るのが、バルブスプリングです。
サスペンションのばねが車体重量を支える目的であるのに対して、バルブスプリングは、弁を開く時の荷重の均一さがエンジン性能を左右します。
カムが一回転する時、ばねは一回圧縮される訳ですから、単純に9,000r.p.mのエンジンの場合、ばねは最大毎分4,500回圧縮を繰り返している事になります。
ばねが繰り返し荷重を受け、その繰返し速度が早くなってばねの固有振動数に近づくと、各コイルのタワミが一様でなくなり、ねじりがコイル素線に沿って衝撃波として伝達される。この衝撃波はサージ波と呼ばれ、その伝達速度をサージ速度と呼びます。サージ波がばねの有効部を一往復する時間をサージ時間と呼びます。繰り返し速度が速くなって、このサージ時間と一致すると、共振して激しい振動現象を起こします。これが皆さん御存知のサージングと呼ばれるものです。
ばねがサージングを起こすと、各コイルが一様なタワミと考えた場合の計算よりはるかに高い応力が生じ、ばねが破損する原因となる訳です。
そこでエンジンバルブスプリングの設計にはサージングを避ける為にエンジンの回転数からくるばねの強制振動数が、ばねの固有振動数に近づかないように計算する訳です。 設計上このサージングを防ぐ為に、ばねの一次の固有振動数をカムの最大回転数の8倍以上に設定するのですが、ピッチー定の場合応力的に厳しい条件となります。? そこで、ばね定数が非線形な不等ピッチを採用したり、並列組み合わせ(ダブル)にして対処する訳です。
バルブスプリングの場合、大手ばねメーカーでも常に技術向上を目指して研究している分野で、材質面、熱処理、表面処理の面等で、材料メーカーとばねメーカーそして、自動車メーカーのエンジン開発者との共同開発が盛んに研究されています。
又最近では、ばね技術研究会等の講演会において大学からの研究発表が盛んに行われています。
技術的な面に関しては極秘の面と特許の絡みがある為、この辺で。
参考資料・文献
本原稿をまとめるにあたり、下記の資料及び文献から引用させて戴きました。
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§ 第三版 ばね ばね技術研究会編
§ ばね使用と設計のポイント
§ 日本のばねの歴史
§ ばねのおはなし
§ 技術教育読本シリーズ 2 ばね
§ 高性能エンジンの研究
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丸善
(財)日本規格協会
(社)日本ばね工業会
(財)日本規格協会 小玉正雄著
(財)中小企業情報化促進協会
(社)日本ばね工業会
館内 端 著 且R海堂
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